うべの時空代数

気になる点がありましたらコメントくださいm(_ _)m

幾何代数の定積分(要修正)

\def\ou#1#2#3{\overset{#2}{\underset{#3}{#1}}}\def\diff{\mathrm{d}}\def\biff{\mathrm{b}}\def\D{\mathrm{D}}\def\p{\mathrm{p}}\def\pu#1{\underset{#1}{\mathrm{p}}}\def\G#1#2{\overset{#1}{\underset{#2}{\Gamma}}}\def\abs#1{|#1|}今年は編入試験一年前の年度ということもあり焦って勉強を始めたのだが,自分で決めた勉強量を終わらせ車校を終わらせ板前のバイトが休みで暇なので最近考えることをネット媒体にでもしてみよう(もうそろそろ勉強のために考えに耽ることを抑えなくては).ここ数週間をまとめると,幾何代数の基底を
\ou{\gamma}{}{\mu}'=\ou{x}{\nu}{}\ou{\p'}{}{\mu}\ou{\gamma}{}{\nu},
と定義しなおすことによって幾何代数を曲線座標でも扱えるよう拡張し,基底の偏微分
\ou{\gamma}{}{\mu}\ou{\p}{}{\nu}=\G{\alpha}{\mu\nu}\ou{\gamma}{}{\alpha},
とクリストッフェル記号を導入することによりその拡張した幾何代数を偏微分することを可能にして共変微分を幾何代数的に議論できるようにし,またさらに偏微分作用素を双対基底と総和をとることによりディラック作用素を曲線座標系に拡張し,重力場中のマクスウェル方程式の幾何代数化に成功した.そして次に行いたいのは電磁場の作用の幾何代数化であるが微分形式のように座標に依存しないようなそういうものを目指したい.そこで何となく3次元直交座標系におけるベクトル解析の積分やその公式を幾何代数(空間代数)で書いてみようではないかと考えた.
まずベクトル解析の積分結果であるがスカラーになるようにできている.積分結果がベクトルになる場合を考えることは可能なのか気になるが(何か知っている方がいれば教えていただきたい),ベクトル解析の理論に沿ってスカラーになるようなものを考えていこう.しかしベクトル解析の式を眺めているとスカラーというよりは幾何代数的には空間代数の0次と3次,つまりスカラーと擬スカラーのどちらかに値をとっていそうなことがわかる.そこで幾何代数の元a,\ bの幾何積abから0次の部分を抜き出す積
a\bigtriangledown b,
と最高次数つまり空間代数では3次の部分を抜き出す積
a\bigtriangleup b,
を定めておく.ナブラやラプラシアンとは形は似ているが別のものであることに注意されたい.なぜこれを定義するのかというと,上三角積は別に楔積でいいのだが,例えば時空代数の2次と2次の峡積(幾何積と楔積の差)は0次と2次の混合になるため0次のみを抜き出す下三角積を新たに定める必要がある.一般の次元,座標に拡張したときを見据えている.
まずスカラー場の線積分から考えよう.空間代数においてスカラー場と呼べる代物は0次と3次の二つがある.パラメータtで表される曲線Cでの0次場f,3次場gの線積分
\gamma_t:=\frac{\diff\ou{x}{i}{}}{\diff t}\ou{\gamma}{}{i}\\\int_C\diff t|\gamma_t|f,\\\int_C\diff t|\gamma_t|g,
が考えられる.\gamma_tは曲線C上における1次元の曲線座標系に拡張された幾何代数の基底である.つまり
\ou{\gamma}{}{\mu}'=\ou{x}{\nu}{}\ou{\p'}{}{\mu}\ou{\gamma}{}{\nu},
の3次元空間上の位相次元1の多様体で考えようということである.偏微分である必要がないのでパラメータの常微分となっている.
次にベクトル場の線積分を考えよう.空間代数においてベクトル場と呼べる代物は1次と2次の二つがある.パラメータtで表される曲線Cでの1次場F,2次場Gの線積分
\gamma_t:=\frac{\diff\ou{x}{i}{}}{\diff t}\ou{\gamma}{}{i},\\\int_C\diff t\gamma_t\bigtriangledown F,\\\int_C\diff t\gamma_t\bigtriangleup G,
が考えられる.
次はスカラー場の面積分を考えよう.パラメータu,\ vで表される曲面Sでの0次場f,3次場gの面積分
\gamma_u:=\frac{\partial\ou{x}{i}{}}{\partial u}\ou{\gamma}{}{i},\\\gamma_v:=\frac{\partial\ou{x}{i}{}}{\partial v}\ou{\gamma}{}{i},\\\int_S\diff u\diff v|\gamma_u\wedge\gamma_v|f,\\\int_S\diff u\diff v|\gamma_u\wedge\gamma_v|g,
が考えられる.\gamma_u,\ \gamma_vは曲面S上における2次元の曲線座標系に拡張された幾何代数の基底である.つまり
\ou{\gamma}{}{\mu}'=\ou{x}{\nu}{}\ou{\p'}{}{\mu}\ou{\gamma}{}{\nu},
の3次元空間上の位相次元2の多様体で考えようということである.要するに接ベクトルである.
次はベクトル場の面積分を考えよう.パラメータu,\ vで表される曲面Sでの1次場F,2次場Gの面積分
\gamma_u:=\frac{\partial\ou{x}{i}{}}{\partial u}\ou{\gamma}{}{i},\\\gamma_v:=\frac{\partial\ou{x}{i}{}}{\partial v}\ou{\gamma}{}{i},l\\\int_S\{\diff u\gamma_u\}\wedge\{\diff v\gamma_v\}\bigtriangleup F,\\\int_S\{\diff u\gamma_u\}\wedge\{\diff v\gamma_v\}\bigtriangledown G,
が考えられる.普通の面積分と違い符号の違いが表れる可能性がある.
次はスカラー場の体積分を考えよう.パラメータn,\ m,\ lで表される3次元的な領域Vでの0次場f,3次場gの体積分
\gamma_n:=\frac{\partial\ou{x}{i}{}}{\partial n}\ou{\gamma}{}{i}\\\gamma_m:=\frac{\partial\ou{x}{i}{}}{\partial m}\ou{\gamma}{}{i}\\\gamma_l:=\frac{\partial\ou{x}{i}{}}{\partial l}\ou{\gamma}{}{i}\\\int_V\diff n\diff m\diff l|\gamma_n\wedge\gamma_m\wedge\gamma_l|f,\\\int_V\diff n\diff m\diff l|\gamma_n\wedge\gamma_m\wedge\gamma_l|g,\\\int_V\{\diff n\gamma_n\}\wedge\{\diff m\gamma_m\}\wedge\{\diff l\gamma_l\}\bigtriangleup f,\\\int_V\{\diff n\gamma_n\}\wedge\{\diff m\gamma_m\}\wedge\{\diff l\gamma_l\}\bigtriangledown g,
のそれぞれ二通り考えられる.後者は普通とは符号の違いが表れる可能性がある.
整合性をとるために点積分と呼ばれるものを定義しておこう.2点P:=\{P_1,\ P_2\}に対し0次場f,3次場gの点積分
\int_Pf=f|_{P_1}-f|_{P_2},\\\int_Pg=g|_{P_1}-g|_{P_2},
一変数関数の定積分に出てくる
[f(x)]_a^b=f(b)-f(a)
の一般化である.
今までのをまとめてみよう.
位相次元nの多様体上の曲線座標系(\ou{u}{i}{})の各点で基底\ou{\gamma}{}{i}が定義されているとき
\varpi_n:=\displaystyle\bigwedge_{i=1}^n\diff\ou{u}{(i)}{}\ou{\gamma}{}{(i)}
という量を定める.ただし添字の丸括弧は総和を足らないことを意味しn=0では1である.
m次場F_mに対して\varpi_nが定義される座標系で表されるS_n(P=S_0,\ C=S_1,\ S=S_2,\ V=S_3)上の積分は次のようにまとまる.

0次 3次
\int_{S_0}\varpi_0\bigtriangledown F_0 \int_{S_0}\varpi_0\bigtriangleup F_3
\int_{S_1}\varpi_1\bigtriangledown F_1 \int_{S_1}\varpi_1\bigtriangleup F_2
\int_{S_2}\varpi_2\bigtriangledown F_2 \int_{S_2}\varpi_2\bigtriangleup F_1
\int_{S_3}\varpi_3\bigtriangledown F_3 \int_{S_3}\varpi_3\bigtriangleup F_0
\int_{S_0}\abs{\varpi_0}F_0 \int_{S_0}\abs{\varpi_0}F_3
\int_{S_1}\abs{\varpi_1}F_0 \int_{S_1}\abs{\varpi_1}F_3
\int_{S_2}\abs{\varpi_2}F_0 \int_{S_2}\abs{\varpi_2}F_3
\int_{S_3}\abs{\varpi_3}F_0 \int_{S_3}\abs{\varpi_3}F_3

勾配の線積分ストークスの定理ガウスの発散定理をまとめてみよう.ただし上下三角積よりディラック作用素の峡積楔積を優先して計算する.

\int_{S_1}\varpi_1\bigtriangledown F_0\wedge\D=\int_{\partial S_1}\varpi_0\bigtriangledown F_0 \int_{S_1}\varpi_1\bigtriangleup F_3\vee\D=\int_{\partial S_1}\varpi_0\bigtriangleup F_3
\int_{S_2}\varpi_2\bigtriangledown F_1\wedge\D=\int_{\partial S_2}\varpi_1\bigtriangledown F_1 \int_{S_2}\varpi_2\bigtriangleup F_2\vee\D=\int_{\partial S_2}\varpi_1\bigtriangleup F_2
\int_{S_3}\varpi_3\bigtriangledown F_2\wedge\D=\int_{\partial S_3}\varpi_2\bigtriangledown F_2 \int_{S_3}\varpi_3\bigtriangleup F_1\vee\D=\int_{\partial S_3}\varpi_2\bigtriangleup F_1

それなりに美しくまとまる.次に私は\varpi_nが座標変換でどのように変化するのか,一般の次元や曲線座標系に拡張しても同じようなことが言えるのかを議論したいのだがどうやら私の力不足のようだ.未完成の理論である.微分形式と同レベルに昇華するのはまだ先になりそうだ。