次元実線型空間とその上の非退化な計量の二次空間の幾何代数(次元非退化実Clifford代数)を考える.の次斉次元の集合を,の元から次の斉次な部分全体を抜き出す写像を
とする.斉次元多変数実数値関数
と斉次元多変数斉次元値関数
を考え,全ての引数の斉次な任意の変分
に対して
を満たす斉次元多変数斉次元値関数組が1つに決まるときはで微分可能であるといい,をのに関する偏導関数や偏微分といい
と書く.幾何代数は一般的に非可換であるがの中では2つの同次数斉次元の積は交換してもいいため
としても同値である.
簡単な例としては
という関数は
であるため
であり
という関数は
であるため
である.
この幾何代数微分は解析力学に用いることができ,共変性が明らかな定式化に役立つ.その前に本記事で用いる記号や公式を纏めておく.
:Dirac作用素.
:Dirac作用素のうち次数を上げる部分.
:Dirac作用素のうち次数を下げる部分.形式的にはと書ける.
:右から左に作用するDirac作用素.同様に,などとする.
:体積形式..
,に対し
というLeibniz則が成り立つ.また詳しく考察,証明していないが恐らく成り立つであろう,に対し
という公式を用いる.幾何代数を用いてStokesの定理を記述する方法は模索中である.被積分部分がスカラーであればいいので
という積分が考えられ,Stokesの定理としたいのは
といったものである.何かいい案があれば教えてください.
斉次元場の作用
を考える.が微分可能ならば,の下で作用の変分を計算すると作用原理より
と共変定式化されたEuler-Lagrange方程式が得られる.