この記事は試行錯誤まで書かれて読みづらいため
https://ubeyuto.hatenablog.com/entry/Yang-Mills
にまとめました。
時空代数は電磁場を記述するのに非常にすっきりして適している.これを重力場中に拡張したのが僕が考えた(ことにしている)接幾何代数である.さて僕はこれを非可換ゲージ理論に拡張しようと思った.とりあえず重力は無視しよう.今までの可換な普通の要するに電磁場は
のような時空代数の物理量や作用素を決めて理論を組み立てていった.さて非可換ゲージ理論ではは生成子に対し
と行列である.時空代数の基底が何かしらの行列で表現されていることを考えるとという量を定義するときKronecker積を考えなければならないだろう.Kronecker積は前の行列の各成分に後の行列をかけるという規則上,左右から演算を考える幾何代数とは記法の相性が良くない.そこで
と書くことにしよう.数式は時空代数成分の行列になる.ゲージ場を
と定義しよう.次はDirac作用素であるが共変微分から出発したほうがよさそうだ.共変微分は
と定義される.はの単位行列である.Dirac作用素は
と定義しよう.これはもはやDirac作用素といえるかわからないが取り急ぎこう定義する.
さてこの記事の目標であるが,Dirac場のかかわる議論は時空代数の基底がLorentz変換に対し1階のテンソルであり,これをDirac行列として使うことを考えると不変スピノルテンソルでないDirac行列によるDirac場の議論が未知であるためできないので,Yang-Mills項を記述することを考えよう.そのために場の強さを試行錯誤して定義してみる.電磁場のアナロジーから
を考えてみる.これはもはや時空代数同士でないため楔積が定義できるかわからないが
として計算しよう.は左から作用するものである.(いつも鏡文字を好んで使うがここではそのコマンドが使えないのでBで代用している)
分子のそれぞれを計算する.
混合積性質を使った.重力を無視しているため基底は微分に対し0であるため普通の混合積のように計算してよい.
よって
これは場の強さとは呼べないだろう.これでも記述できるのかもしれないが,僕が欲しいのは構造定数が表れる項である.共変微分に少し細工をしよう.
共変微分のHermite共役は反対側から作用することにしよう.
基底もまとめて共役取りたいところだが不変スピノルテンソルでないためHermite行列とは限らない.
を計算しよう.
余計な第一項が出てしまったが第三項の成分を計算する.添え字のかっこは総和を取らないことを意味する.
つまり第二項と第三項の成分は
となっておりこれは
となっている.さて第一項を消すことを考えよう.
を試しに考えてみる.
これじゃあどうやっても二次だけを取り出せない(第一項を消せない).つまりの和差だけでは場の強さっぽいものは作れないということだ.
であるため第一項を時空代数で表すこともできない.(この計算を最初にしていればもっと楽だったのにと後悔している)
普通の積で表すことをあきらめて楔積のところでずるをすれば話は済む.
Yang-Mills項もずるすれば
僕が5月に見つけた公式を使った.二次の項は0になる.
https://ubeyuto.hatenablog.com/entry/2021/05/07/130601
Lie代数についてのみ対角和を取ればこのように係数がつかず美しい(?)が厳密には時空代数の基底のサイズの正方行列とKronecker積を取っているため
となる.他の項が時空代数の基底のサイズの正方行列のスカラー倍になることが考えられるため
とLie代数のみ対角和をとるような演算を定義すればすっきりする.これは偏対角和の特殊な場合である.
行列上の幾何代数の楔積はどう数学的に定義すればよいのか.微分形式も似たような手法で行列上の楔積を計算しているがあれは大丈夫なのだろうか.
行列積ABが定義できる行列A, B,幾何代数a, bに対し
と定義すればいいだろうか.A, BのサイズがのときKronecker積はスカラー積となり通常の楔積に対応し,楔積の拡張になっている.